RSNA2017 GEヘルスケア − X-ray
コーンビームCTのモーションアーチファクトを軽減する“Motion Freeze”やマンモグラフィの圧迫調整技術を紹介
2017-12-1
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RSNA 2017 X-ray
GE Healthcare(GEヘルスケア)のX線撮影装置関連では,Interventional,Women's Health,Surgery,X-rayの4つのコーナーが設けられた。このうち,Interventionalでは,“The Discovery IGS Experience”と題して,血管撮影装置「Discovery IGS ASSIST」シリーズが紹介された。特に,最近はTAVIに代表される心構造疾患(SHD)に対する高度な治療のニーズが高まっていることから,GEヘルスケアではバイブリッド手術向けのソリューションを強化している。海外だけでなく,日本においてもGetingeグループの手術台ブランドである「マッケ」ブランドの「マグナス寝台」を血管撮影装置に組み合わせて展開している。The Discovery IGS Experienceでも側面パネルで,マグナス寝台とDiscovery IGSシリーズを組み合わせたイメージ・ガイド・システムを紹介した。
また,Discovery IGSシリーズの技術も進化している。Interventionalのコーナーに設けられた肝臓領域の治療エリアにおいて,コーンビームCT撮影時の息止め不良によるモーションアーチファクトを低減するための再構成技術“Motion Freeze”を紹介した。コーンビームCTは5秒程度の撮影時間がかかるため,体動によるモーションアーチファクトが発生しやすい。そこで,Motion Freezeを適用することで,アーチファクトのない画像を得られるようになり,撮影に伴う患者負担を軽減するほか,撮影の短時間化にも貢献する。さらに,頭部や腹部における体内の金属デバイスに起因するメタルアーチファクトを改善する技術も紹介されていた。
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Interventionalコーナーの“The Discovery IGS Experience”
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血管撮影装置「Discovery IGS ASSIST」シリーズを展示
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マグナス寝台とDiscovery IGSシリーズを組み合わせたイメージ・ガイド・システム
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“Motion Freeze”によるモーションアーチファクトの軽減(右が適用後)
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金属アーチファクトを抑える再構成技術も紹介(右が適用後)
Women's Healthでは,マンモグラフィの画質を向上させるユニークな技術が展示された。ハイエンドのデジタルマンモグラフィ「Senographe Pristina」に,“Dueta”と呼ばれる技術が追加された。Duetaは,被検者が自ら圧迫の強弱を調整できる。ポジショニング時に手のひらサイズのコントローラを使って,圧迫の強弱を調整する。ある調査では,検査者が圧迫するよりも,被険者が自分で行った方が強く押さえることができ,その分画質が向上するという。被検者がDuetaを使って適切な圧迫を行うことで,検査の精度を高めることが可能となる。すでに日本国内でも提供を開始している。
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デジタルマンモグラフィ「Senographe Pristina」
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被検者自身が圧迫を調整できるDuetaのコントローラ
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「Senographe Pristina」や「Invenia ABUS」などを搭載した回診車も展示